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暑い。
重い。
暑い。
重い。
だんだん大輝の顔に苛立ちが露になる。来ているTシャツは汗に濡れ、微かに透けていた。
「……糞、ジジィ」
「大輝、大丈夫か?」
李麗が顔を覗くが大輝にはもう笑いは愚か声を出す気力もない様で口が微かに引きつるに終った。
「半分持つか?」
李麗が片手にぶら下がる手提げ袋に手を掛ける。大輝は頷き、李麗に残りを任せる。
「だいたい…シャンプー六本なんて、洗う髪も無いくせに…」
絶対嫌がらせだ。
「洗剤八箱とかな…他に何入ってんだ?」
「…米袋」
少し余裕が出てきた大輝は深く息を吸い、
「…絶対、嫌がらせだ」
万感の思いで深く呟いた。
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