出会い

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「柊護、行くぜ」 チンチラを引き連れて、李麗は道路に躍り出た。右に行くべきか、左に行くべきか。李麗が一番苛立つのはこの時だ。 近くに居るのは分かって居るのに所在が全く掴めない。舌打ちした李麗の視界の隅に黒い影が過ぎる。 「行こう」 黒い影は烏だった。烏の守護体、呉射を従えた大輝の後に李麗が続く。やがて広い公園に出ると『ギャア』と呉射が鳴いた。 「あれか!?」 「…ッ多いな」 一角に集まった異形を認知して二人は思わずたじろいだ。二人に気付いた異形が奇声を発して襲いかかってくる。先ずは二手に分かれて互いに距離をとる。 李麗は精神が高まるのを感じて一人微かに声をたて、笑った。
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