捨て犬

3/3
前へ
/14ページ
次へ
連れ帰った犬を飼う事は許されず、途方に暮れていた 小さい頃から見知っていたので…声を掛けてみた 「うちで飼ってやろうか?」 「だめ…私が飼いたいの」 どうやら、反対された母親か父親に交渉する気らしい 夕方、公園に捨て犬を抱えて、震える彼女を見つけた 「…やっぱり駄目だって?」 きっと視線を向けて 「私が病気になるから、だめだって…」 「そっか……」 このまま放っとく訳にもいかず、再度 「じゃあ、少しだけお兄ちゃんの家に置いて置けば?」 パッと顔を明るくして 「いいの?」 と、やっと笑顔になった この時から、僕は彼女を好きになったのかもしれない
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加