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「ゼウス……許されるなら、私はもう一度この人たちを信じたい……」
亜由美は真っ直ぐな言葉をゼウスにぶつけた。
「……不思議だな……ルシファーが言っていたことが今なら分かる気がする」
「え?」
ゼウスの言葉に一馬と亜由美は同時に反応した。
「全てが分かり合うことなんて出来ない。それでも互いが歩み寄り信じ合うことで変わる想いもある……だったか……」
ゼウスはそう言って息をつく。
「亜由美、変えるのなら覚悟が必要だ。今の君にそれが出来るか?」
「ええ、やるつもり」
ゼウスの意味深な問いに亜由美はしっかりと頷いた。
「……高橋君……今から術式を解くわ」
「桜田!!」
一馬は亜由美のその言葉に嬉しそうに反応する。
「……でも、これはたくさんの命を犠牲にして組み上げた“術式”。解くには膨大な“力”が必要になる」
「……どういう、ことだ?」
亜由美の言葉に嫌な予感がした。
「今の私にはもうその膨大な“犠牲の力”とぶつかるだけの“力”は残されていない。このまま私があの“力”とぶつかっても――」
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