第二十六話

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「我が内に眠る紅の炎と蒼の水、我が命により解放せよ!!!」 水蓮がそう唱えたと同時に一気に氷翠の陽神を巨大な炎を取り囲む水流が取り込んだ。 蘭子を残して氷翠の陽神は一体残らず消える。 「――陽神は、どうやらたいしたことなかったようだね……」 フッと力が抜けた笑いを水蓮が一瞬見せたかと思うとそのまま倒れ込むようにして彼女は崩れた。 「水蓮!!」 蘭子はおぼつかない足取りで水蓮の元に駆けると彼女を腕の中に受け止める。 「大丈夫だ。気を失ってるだけだよ。心配ねぇ」 「あの力を使うとね……一瞬で膨大な力を発することは出来るけど気力を全て失ってしまうのよ」 「まあ一発限りの大技ってとこだな」 メギドとネレーナがそれぞれの口調で蘭子に説明する。 「でもスッゴい力なのに蘭子ちんには当たらなかったね~スゴいや」 天照は相変わらずのんびりとしたテンション高めの口調で二人に向かって返した。
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