182人が本棚に入れています
本棚に追加
「戦いながらスキを見せるとは相変わらず余裕な奴だ」
ガス!!
容赦ない一撃が紅蓮の胸を貫いた――かに見えた。
「おいおい、俺様……そんなに余裕じゃないんだぜぇ?」
面白そうに紅蓮は貫かれた状態のまま、そう返した。
「ただ、楽しくてよぉ……お前が、お前らがどこまで強くなるのかを見てたらなぁ……」
その紅蓮の瞳は“邪悪”そのもの。
だが誰よりも純粋で真っ直ぐだった。
「――俺たちが強くなることは、この“力”の終わりを意味しているんだがな」
それは“異端”であるものの終わり。それこそが本来の地和たちの目的だからだ。
「それもまた面白れぇじゃねぇかっ!!!!!」
紅蓮はそのままの状態からただの正拳突きで地和を吹っ飛ばした。
「この“力”がなくなれば、俺様はまた新たな“力”を求めるだけだからな!!」
ドクドクと紅蓮の腹から血が流れ続けている。
致命傷という一撃ですら紅蓮は楽しんでいた。
最初のコメントを投稿しよう!