第二十六話

16/52
前へ
/399ページ
次へ
「戦いながらスキを見せるとは相変わらず余裕な奴だ」 ガス!! 容赦ない一撃が紅蓮の胸を貫いた――かに見えた。 「おいおい、俺様……そんなに余裕じゃないんだぜぇ?」 面白そうに紅蓮は貫かれた状態のまま、そう返した。 「ただ、楽しくてよぉ……お前が、お前らがどこまで強くなるのかを見てたらなぁ……」 その紅蓮の瞳は“邪悪”そのもの。 だが誰よりも純粋で真っ直ぐだった。 「――俺たちが強くなることは、この“力”の終わりを意味しているんだがな」 それは“異端”であるものの終わり。それこそが本来の地和たちの目的だからだ。 「それもまた面白れぇじゃねぇかっ!!!!!」 紅蓮はそのままの状態からただの正拳突きで地和を吹っ飛ばした。 「この“力”がなくなれば、俺様はまた新たな“力”を求めるだけだからな!!」 ドクドクと紅蓮の腹から血が流れ続けている。 致命傷という一撃ですら紅蓮は楽しんでいた。
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

182人が本棚に入れています
本棚に追加