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瞳に映ったエースの色は“緋”――
それでいて光を纏っているかのように鮮やか。
「俺たちには程遠い世界だな……お前の、いる場所はよ」
エースのいる場所はきっとこの人界全ての生き物を以てしても辿り着けない――直感だが、和哉はそう感じていた。
「……それが、どう変わっていくか俺は楽しみで仕方ねぇよ」
意味深で邪悪な笑みを浮かべ、それを和哉はエースに向ける。
「今はただゲームが終わるときまで殺り合うだけだけどな……」
和哉は呟いた瞬間に一気に“力”を放出する。
エースはそれを飛び跳ねるようにして、次々と避けていく。
二人の距離がだんだんと縮まっていく。
「くらえ!!!」
何の工夫もない、ただの斬りかかりの突進攻撃。
それを反射的に鎌で受け止めた和哉。
「さあ……ここからどうするか……」
「どう持っていくか……」
二人は笑みを浮かべ、お互いに呟く。
今この時という瞬間がここには確かにあった。
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