第二十六話

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それを確かめるように、二人は刃を混じり合わせる。 (アイツがどう選んだか……俺はソレに従うだけだがな……) 亜由美が選ぶ道に従うことしか選択肢はどのみちない。 それすらも楽しむ為に自分はこの道を選んだのだから…… 「ここが、内部よ」 辿り着いた“核”の中心部。 それは醜く黒く歪んでいた。まさに現世で生きる人間たちの“狂気”というにふさわしいほど不気味に思える様に一馬は吐き気すら覚える。 「なんか……凄く恐い……でも、懐かしい気がする場所、だね」 未夢は率直な感想をボソリと述べた。 「……そうね。人間の憎しみの最果ての場所――そう言うにふさわしいところだから」 「憎しみは根源。五芒星という力を利用し、全ての根源をここに閉じ込めた」 亜由美とゼウスはそれぞれの言葉でそう説明を入れる。 「みなが等しく抱いてる感情の一つなのに……それが今世界を滅ぼす敵になっているなんて、皮肉だよね」 黒太郎は“核”から放たれる憎しみという“狂気”への恐れを誤魔化すように続けた。
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