182人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうじゃねぇだろ」
一馬は亜由美のある言葉に怒ったようにそう言った。
「共に探すんだろ。その方法を。その為にココにいんだ」
そう言って一馬は亜由美を真っ直ぐに見つめた。
亜由美はフッと小さな笑みを浮かべる。
「そうね……」
「ダメだよっ！！」
「は？」
突然二人の間に割って入ったように、未夢が叫んだ。
「一馬はダメだよ！！！」
未夢は亜由美を睨むように見つめながらそう叫ぶ。
それで意味を理解した亜由美は面白そうに笑った。
「あら、ごめんなさい……でも大丈夫よ？私たちはそういう関係じゃないから」
クスクスと小さく笑って亜由美は優しく言う。
「……悪いな。真面目な話をしてる時に」
太一は未夢の首根っこを引っ張りながらそう言った。
「未夢だって大事な話あるもん！！」
「――なんだよ？大事な話って」
「ええっ？そ、それは……っっ」
鈍感一馬のせいで何故か今度は未夢自身が追い詰められることとなった。
もちろん未夢は顔を真っ赤にしながら言葉を詰まらせる。
最初のコメントを投稿しよう！