第二十六話

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「さあ、やり方を手短に説明するわ」 三人は亜由美の話に耳を傾ける。 「まず、この核はさっきも言ったように人間の“狂気”の塊。 ソレを壊すにはまずこれに打ち勝つほどの強い気力が必要―― “狂気”に打ち勝つ冷静な判断―― そして強き心」 実際その二つがあったからこそ、亜由美にはこの“狂気”を操ることが出来た。 だがそれも今はこの増大してしまった“狂気”と亜由美の弱りきった力では完全な無力。 「それら全てを込めて一気に核の中心にぶつけるの」 「“心”の技なんて初めてだね。出来るかな?」 一馬に黒太郎は心配そうに問う。 「出来なきゃここまで来た意味はねぇよ」 一馬は黒太郎に自信満々に返した。 それで黒太郎は安心したのか、何も言わなくなった。 「心の技、と言えど私たちと“住民”の繋がり自体が“心”の“力”……何も心配はいらないわ」 亜由美は言いながら核に近付く。 「これは今防御を張っている状態。この状態だとどんなにダメージを与えようと今の弱った私たちではびくともしない……だから」
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