第二十六話

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亜由美はそこで一旦話を切り、また続けた。 「この“核”が爆発しそうになった瞬間を狙うわ」 「……そんなことって分かるの?」 「普通とは違う鼓動に変わる。大丈夫よ……私が分かるわ」 アリスの疑り深い質問に涼しく亜由美は答える。 「瞬間、私は光を放ってみんなに合図を送る」 「わかった。つまり桜田が光を放った瞬間に僕たちは全力をあの核にぶつける、ということだな」 「そうよ。至極単純よ。上手くいかなかったら当然この世界は死滅する。上手くいったら……この世界は無事で済むわ」 「ひかかる言い方だな……」 ロディが亜由美の言葉に疑問を抱いたのか呟いた。 「……この“核”が壊れた瞬間にこの空間自体も破壊される。だから迅速に逃げなければ私たちはこの空間に閉じ込められて死ぬわ」 「!!」 言っていなかったことは謝るわ……亜由美はそう付け加え、難しそうな顔を伏せた。 「因みに空間が私たちの力に耐えきれなくなって暴発した場合は、狂気が地上に一気に溢れだしこれもまた死滅に繋がる」 淡々と述べるが亜由美の数年をかけて生み出した力がどれだけ恐ろしいか、みんなには理解出来た。
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