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「つまり一発勝負の一発技ってことだね♪」
楽しそうに未夢は言ってくる。こんな状況なのに明るい未夢は相変わらずとも言えた。
「未夢……アンタね……この状況わかっているの?」
緊張感のない未夢にアリスは呆れながら尋ねてきた。
「わかってるよ~!未夢たちが失敗すればみんな無くなっちゃうってことでしょ?」
へへんと得意気な顔を覗かせながら未夢は言ってくる。
「……それはそうだけど……」
「ここまで来て文句は無しだ。違うか?」
アリスがまだ何かを言おうとしているのを見兼ねてか、太一が言ってきた。
アリスはその言葉に黙る。
「要するに、ギリギリまで惹き付けて……で、コイツを破壊。そしてさっさと逃げろってことだ。気合い入れてやるしかねぇよ」
どのみちそれしか今の自分達に選択肢は残されていないのだから……
一馬はそう短く纏めるとそれぞれの顔を見る。
「……そうね。あまり時間がないわ。四方に分かれて……内部へと破壊の力を当てるから」
亜由美は短く言うと自分は東の方へ向かって行った。
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