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「ずっと考えていた……人々の……幸せを……“異界”だろうと“人間界”だろうと消えない“負”の連鎖……それが忌まわしくて仕方なかった……
だから敢えて“負”を利用し、“負”によって全てを滅ぼすことに決めたんだ」
ゼウスがココに来た経緯。
亜由美の初めて聞いたことも勿論あった。
「……私も、全てを幸せに出来ると信じて貴方と共に生きる道を選んだの。今でも、私は貴方の言ってること……正しいと思うから」
亜由美は未だ自分の中にある感情はそこまで変わっていなかった。
ただ――、
「……思っただけ。私は可能性を試したい。彼らが生きて作る未来か、ただ滅びて誰も苦しまなくなる世界か……どっちかの」
志は結局同じ。思いはどちらも変わらない。
“守りたい”感情にはどちらの結果も決して嘘にはならないからだ。
「試すだけ……というのは随分勝手でお前何様だってゼウスは思うのでしょうけどね」
クスッと笑って亜由美はいつも厳しい相棒のことを思い出す。
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