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「思わないよ」
ゼウスはそんな亜由美に短く言った。
「ここでこの“狂気”に打ち勝つことの出来ない奴らにどのみち未来なんて任せられない」
「……うん」
ゼウスは全体に向けて変わらない厳しい言葉を放つ。
亜由美は“らしさ”を取り戻したゼウスに嬉しそうに頷いた。
「……不思議だね……アリス」
「ん?」
未夢は力を集中させながら自らの相棒であるアリスにそう話しかける。
アリスは不思議そうに反応を示した。
「今の未夢たちの景色って最初みた景色より随分綺麗な気がするもん」
「……まあ、そうね……少しだけ……ね」
アリスは未夢の言葉が気にくわなかったのか、あくまで“少しだけ”というのを強調した。
「未夢ね、アリスにずっと伝えたいことがあったの」
「なによ?改めて」
本当は大方想像はついている。だがアリスはソレを認めたくもなかったし、聞きたくもなかった。
だからわざと素っ気ない返事をしてみせる。
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