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「これが終わったら一馬に『好きだ』って伝えるの」
未夢はそう言って嬉しそうにはにかんだ。
「もう、決めたの」
「嫌よ」
「え~?!」
アリスの即答に未夢は不満の声を漏らす。
「未夢、私はアイツが嫌いなの」
「アリス……」
未夢は悲しそうな瞳で隣に座る人間化したアリスを見つめた。
「そんな瞳をしてもいっしょ。私はアイツが嫌い。アイツに告白なんて私が許さないんだから」
「……」
アリスの物凄い否定ぶりに未夢は本気で落ち込んで来た。
「……でも」
アリスはそんな未夢の様子が我慢出来なかったのか、言葉を付け加える。
「未夢が悲しむ顔を見るのはもっと嫌……だから、好きにすれば?」
照れているのか未夢の方を見ようとしないアリス。未夢は一瞬キョトンとしたがアリスの言葉の意味が分かった瞬間、嬉しそうに飛び跳ねた。
「本当っ?!やったやったー!!!」
(この笑顔が反則なのよね……)
アリスは未夢の本当に嬉しそうな顔を見ながらそんな思いを馳せながら苦笑していた。
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