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「俺の相棒は、お前だ――」
それは黒太郎を安心させるには十分な強い強い言葉だった。
「あり……」
「それはナシだ」
「?」
黒太郎の言おうとしたことを遮り、一馬は直ぐに言ってきた。
「ソレを言うなら俺の方がずっとお前に世話になってる。そして俺はソレに対して何にも出来てねぇから」
「そんなこと……ないよ」
一馬の言葉に悲しそうな声で黒太郎は否定した。
ゴオオオ……
目の前で膨らみ続ける“狂気”に一馬と黒太郎は目を移す。
「“魔王”の目的はもっと深くて今の俺たちじゃわかんねぇんだろうな」
「……」
「だからこそ、今出来ることを持てる力で全部やる!!
それだけだろ?
これまでも、そしてこれからも」
「そうだね……」
言葉を待っていたかのように、核の心臓が大きく鼓動したのが直に分かった。
――ドクンっっ!!!
亜由美の放った光を合図に一馬は一歩を踏み出す。
「行くぞ!!」
力を纏った鎌を核の中心に叩き込む。
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