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『ガキじゃないって言ってる内は、ガキなんだよっっ』
♪♪カランコロン♪♪
心地イイ音が響き、店に長身の2人の男たちが入ってきた。
『ふんっ!! 外にいてるんだったら、サッサと入ってくればイイのに………』
『うるせぇっっ!可愛い糞弟と親父の団欒、ゆっくり楽しませてやってたんじゃねぇかっ』
『おかげさまで毎日、楽しんでるよっっ……兄キの方が楽しみたぃんじゃないのぉぉ?!クスッ』
『はぁぁ~ん?! 俺はお前と違って、女から〝楽しみ〝貰ってるからイイんだよっっ…ガキにはわかんねぇだろうがなっ…(ニヤリ)』
『////なっっ、何朝からヤバイこと言ってんだよっっ////バッカじゃねぇのっ////』
耳まで真っ赤になりながら、動揺していることを悟られたくない颯は、キッと瞳を光らせた。
その先には、すっきりとした短髪に 少し長めの前髪をかき上げる兄、誠(まこと)が立っていた。
口角を上げながら、意味深な薄笑いを浮かべ、まるで何でもわかっているよぅな不敵な態度。
(あの親父に同じよぅに育てられたのに、何で兄キみたくなるんだ?!)
ジッと睨みつけながら、ぼんやりと考えていた。
『ふんっっ!俺は昔っから俺なんだよっっ』
颯の心の内を見透かしたよぅに、怒鳴りながら、カウンターの中へ入って行った。
『…どちらもガキのよぅに思うんだが……?!』
『ぁんだとぉ『一彦兄っっ!!』』
『よぉ…颯…しばらくだったな』
『うんうん……どこ行ってたんだよぉ…てか、今日は無理だと思ってたんだぜっ』
『クスッ…今日は行く、と約束してたろぅ?!』
『けどさぁぁ~~~いつもふらぁぁって居なくなって、ふらぁぁって帰ってくるだろぅ?!…忘れてんじゃないかって思っててさっ』
『……ちゃんと覚えてたさ……』
誠の後ろから、すっと入ってきた男=一彦(かずひこ)は、誠と違い、無口だけれど、困った時はいつも颯の側に居てくれた。
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