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『この2人ってモテるんだろぅなぁぁ』
カウンター越しに笑いながら話してる2人を見ていると、ぶわっっとバスタオルが飛んできた。
飛んできた、と思う間に、ガシガシと髪を拭かれた。
『ちょっ、ちょぉぉ…もぅ止めてくれよぉ…』
『…髪から滴が垂れてるじゃないか…』
バスタオルの隙間から見る父親は、柔らかい笑みを浮かべていた。颯は、父のその顔を見ると、いつも何も言えなくなり、今もまた、されるがままになっていた。
♪♪カランコロン♪♪
今日2度目の響きと共に
『モーニング……いつものねぇ』
『チッ…おはよう、はねぇのかよっっ…おはよう、はっ!!』
『うわぁぁぁぁぁぁっっ…お、はよう、ございま、すっ!』
『……ったく……お前ぇもまだまだガキだなっ』
『………?!……へっ?!』
何故いきなりガキと言われたのか?!わからず、平は眼をキョロキョロ動かしていた。
『ははっ…おはよう、平…お前が変わらないなっと言うことだよ。で、山川先生と莉音ちゃんは、まだかい?!』
『父さんはまだ莉音の世話してるっ……あいつ、今起きたんだぜっ』
『はぁぁぁっっっ?!ぁんだよ、それっっ!!間に合うのかよっ』
『知らねぇ…莉音の寝起きの悪さは、昔っからだろ…』
『俺、10時に出るって言ったんだぜっ……くそっっ…ありえねぇ』
『まぁまぁ、颯…。先に朝ご飯を食べよう。最悪は、車で追いかけるよ』
バスタオルから解放された颯は、頭をぶるぶるっと振るうと、手ぐしで髪を後ろへ流した。
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