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「じゃあさ。私も一言言っていい?」
「ん?まぁ」
気の抜けた返事をした俺は彼女のはなった言葉に驚いた。
「君なんで泣いているの?」
「ッ!?」
俺が泣いている?
いや確かに屋上では涙を流していたけど。
「お、男が泣くわけないでしょう」
すると女の人は俺の顔を近くでジーッとにらんできた。
か、顔が近いです。それに女の子特有の優しい香りが……。
はい。俺は大変どぎまぎしております。
しばらくして何か一人で納得した女の人は俺の顔から離れて口を開いた。
「それは嘘。目がキョロキョロしてるし呼吸も早い。大丈夫だから本当の事を話してごらん?楽になるよ」
いやいや。それはいきなり女の子に近づかれたから動揺したのであって、嘘をついたわけではない。
……なんて言えるわけもなく。
「実はさ……」
洗いざらい話しましたよ。
いや、話された。
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