―告 白―

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沈みかけた夕日が俺を包む。 グラウンドでボールを蹴る音は煩い騒音にしか聞こえなかった。 右手を空に翳してみる。いつもは近くに感じる空もこの日は遠くに感じた。 なんで? なんで? なんで? 「なんでこうなるんだよォーー!!」 俺は吼えた。そしてフェンスを力の限り掴んだ。 運命なんて俺は信じない。 神様は残酷だ。どういう訳で俺をこんな運命にしたんだ? そして頬に冷たい涙が滴り落ちた。 「誰だよ…涙が暖かいなんて言った奴は…」 涙なんて冷たいだけじゃないか。 その時俺の肩に雫が落ちてきた。 雨だ。 今は秋。季節の変わり目に降る雨。それは汚れた俺の心を洗い流しているかのようだった。 でもこんな雨じゃ俺の心を洗い流すことは出来ない。それほどまでに俺の心は汚れていた。 「ウォォーー!!」 ライオンが吠えた。自分の心が痛くて。それでもまだ、アイツの事が好きで。 そんな自分がとてつもない馬鹿だということに。
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