序章

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「そういえば………最近増えて来たよな」 「何がさ?あ、あれか?頭が毎日春の連中からの迷惑メールっ」 「バッカッそんなんじゃねぇし」 篠原の分の飲み物を買うために100円玉を自販機に入れながら阿呆な返答する俺の脇で、こいつは腕を組んで大きく、そしてわざとらしく溜め息を吐く。 「ニュースとか見てないのかよ?俺が言って居るのはあれだ、『石眠病』のことだよっ」 「………あぁ、あれな。連日騒いで居る……」 「そうっそれっ。…………あ、俺これの方が良い」 金を入れ終わりボタンを押す前に隣りから腕を伸ばしいつも自分で買うペットボトル飲料のボタンを押し購入する。 ガタガタッという商品が落ちる音が聞きながら、邪魔にならない様に自販機の側面に背を預けて缶のプルタブに指先をかけて蓋を開け、行き交う人々を俺は眺めて居た。
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