愛してる。その時は、愛してる。

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「人が蟻みたいだな」 ふと、聞こえてきた声。 視線をやると、彼はもうすでに上の空だった。 壊れたフェンスのある屋上。ぎりぎりの所に立って空を見上げる彼。 つられて俺も。 今日も晴天だ。 雲が進む。 それは何時もより早くて、その風のせいで彼の短髪も揺れている。 真っ青な空が頭上に広がり、世界を繋ぐ。
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