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そうおもむろに叫ぶと、つばさはポテチの袋を海へ放り投げた。
一瞬の沈黙。
すると、動かなかったひかるがすぐさま立ち上がり……そしてつばさの胸倉を片手で掴みにかかった。
彼女は鬼のような形相で、ぐいっと顔を近づける。
「最後の1枚だったんだけど」
この至近距離でめちゃくちゃ怖い睨みをきかせられてなお、不動のつばさはやはりすごい……と思いきや、どうやら腰が抜けて動けないだけのよう。
ひかるは胸倉を掴んでいた手を離すと、今度はうしろでくくっている彼の赤毛の長髪を掴む。
そしてもう片方の手の人差し指を立てると、そこに小さな火を燈した。
「この髪燃やすわよ?」
目がマジだ。
瞬時にそう悟ったつばさは、
「すいませんでしたああああ!」
と、即座に彼女の手を振り払い、その場に土下座。
「ほんっと、ポテチいくつでも買うんで許して下さい!!」
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