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誰かが悪いんではない。
この戦争に携わる、全ての人が悪いのだと、そう思わざるをえなかった。
そうでないと、人殺しという鉛の言葉に押し潰されてしまいそうで。
「…祈り玉を置きにいってくるわ」
少しの沈黙のあと、ひかるも小さな声で呟く。
しかし、その言葉を聞いた海は目を大きく見開いた。
「お前…本気で言ってんのか?」
「ええ。もうだめよ、こんな過ちを繰り返すなんて。
…むごい、むごすぎるもの」
少女は唇をキュッと噛み締め、強く拳を握りしめた。
左目に宿る炎は強く揺れる。
祈り玉。
高度な技術と特別な血筋をもつ者だけが作る事のできる水晶玉だ。
平和の祈りを讃えそれを祠に奉ることで、半永久的にその祈りは守られていく。
そう、封印がとけるまで。
「母の血をひいてるんだから、祈り玉を作る事くらいできるわ」
「でもわかってんだろ?
祈りの平和を保つためには…」
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