目覚め

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しかし、俺の物語はそんなに複雑じゃない。トリックやネタなんてないのだから。 まあ、それは後々に分かるであろう。今日は何事もなく、普通な一日を送る。俺が一番、望んでいる日だ。 全部、場面をすっ飛ばしてもうそろそろ就寝する時間だ。 ベッドに寝転び、目を瞑る。明日も平凡な一日であるようにと祈りながら。 ………。 普人が就寝してから数時間が経過した頃、携帯の着信音がピリリリと部屋に鳴り響く。 普人は起きない。 ぐっすりと眠っている。 むしろその着信音が子守歌のように気持ち良さそうに眠っている。 特殊自警団であるのがそれを許さないはずなのに。
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