黒いテガミ

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「おい!黒川!おい!」 捜査一課刑事で菜緒の上司の、金沢竜太が声を荒げる。 「う~ん・・・なんですか?朝からデカい声ださないで下さいよ。」 捜査一課刑事・黒川菜緒がめんどくさそうに言う。 黒川菜緒。29歳。 捜査一課のエースで、唯一の女刑事。 「大事な捜査の時に寝てんじゃねぇよ!」 「すいません。しばらく寝てなくて。」 菜緒がもう冷めきったコーヒーを一口飲む。 「そんなイラついてたら、見つかるもんも見つからねっつーの。」 小声で菜緒が愚痴をこぼす。 「大事な捜査の時に寝てるからでしょ!」 菜緒の同期の坂本幹寛だ。 まるで近所のババァと言っても過言ではないほど、うざったい目付きで口をだしてくる。 でも菜緒はそんな幹寛が嫌いではなかった。いつも当たり前のように同じ場所で同じ捜査をしているし。 どこか憎めないキャラで、愛称は「ミッキー」 東幹久が「ミッキー」と呼ばれているところからきている。 「はい。ど~ぞ。これでも飲んで精力だして。」 幹寛が菜緒に とても熱く香りのよいいれたてのコーヒーを渡す。 「熱すぎて飲めないし。」 かなり猫舌の菜緒が言った。 「それより、お前宛てに封筒きてるぞ。」 幹寛が思い出したように言う。 「封筒・・・。分かった。後でみとくわ。」 「おう。ちょっと俺朝飯買ってくるわ。なんか食いたいもんある?」 「あ~じゃあちょっと栄養ドリンク買ってきて。」 「分かった。また寝んなよ。」 「分かってるって!まぁ寝るか寝ないかはその時の状況によるけどね。」 「おいおい。(笑)」 「大丈夫だって(笑)ほら、早く行きなよ。」 「分かってるよ(笑)」 にやけながら出て行く幹寛。 「あ、封筒封筒・・・」 封筒をとりに行く菜緒。 「あった。ん?」 戸惑う菜緒。 そこには 黒く、宛名もない 見るからに怪しい封筒があった。 「何?何これ・・・」 菜緒は急いで封を切った。 中を見てみると・・・
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