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「大久保さん!」
沖田さんに斬られた傷口は深く、鮮血が広がる。
「陰に行って手当てしよう!」
そう言って大久保さんを立たせた時―…
「―…ぐあっ!」
大久保さんがその場に倒れ込んだ。
「大久保さん!?」
沖田さんが、また大久保さんを…!
あたしはキッと沖田さんを睨む。
「どうして、斬り合いなんかするの!?」
もう、誰かが死ぬところは見たくない―…。
「何でだろうな?」
沖田さんは再び刀を構える。
「小娘!
逃げろ!」
大久保さんの叫びと共に、太い声が響いた。
「新撰組隊士に告ぐ!
今すぐ撤退だ!」
その声に反応した沖田さんは、刀を鞘におさめて去って行った。
「近藤勇だ…」
大久保さんが呟いた。
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