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「…里奈、里奈!」
誰かに名前を呼ばれた。
あ、そうだ…あたし、沖田さんに―…。
そう思いながら目を開けると…。
「沙穂…!?」
視界に飛び込んできたのは、晋作さんでも桂さんでもなく、沙穂だった。
何で…!?
あたしは着物じゃなくて、制服を着ていた。
「びっくりしたよ!
お寺巡り一緒に抜け出してあたしがトイレ行ってる間に里奈が道端で寝ちゃってたから…」
何―…?
今までのは全部、夢だったってこと…?
全く状況が飲み込めないあたしに、沙穂は手を差し出した。
「そろそろバスに乗っとかないと、先生にバレちゃう!」
わけの分からないまま、あたしは沙穂の手をとった。
帰り道、後ろを振り向くと、あの神社がそびえ建っていた。
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