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3ヶ月の予定が、1ヶ月延びたらしい。 4ヶ月も会えないって事? 『‥‥そうなんだ‥‥。』 『なんだ、淋しいのか?』 電話の向こうで笑いを堪えているのがわかる。 淋しそうに聞こえた? 素直に淋しいなんて、なんか悔しくて言えない。 『言えよ、淋しいって』 うー。 『素直に言えたら、いい事教えてやる。』 凄く凄く悔しい。 けど、いい事って? 『おい、聞いてんのか?早く言え。』 『‥‥淋しいです‥‥。』 『よし、いい子だ。』 クックッ笑う健。 何か、言わされた感が悔しい。 『明日、現場に来ないか?』 『現場に?』 って、京都に? 『明日は神戸。』 『え!神戸?』 神戸は私が生まれた街。 『久しぶりだろ?俺、明日休み。1日空いたから。』 暫く間があいて、 『会いたいから、来いよ。』 !! 自分が淋しいんじゃない! 然も、呼びつけますか。 私は、ため息をつき、 『拒否権は無いのよね。』 『判ってるだろ?』 『行かせていただきます。』 『おう!じゃ明日の朝電話よこせ。』 『仰せのままに。』 健の嬉しそうな声を聞いてホッとした。貴方も淋しいって思ってくれてたんだ。 私も、会いたい貴方に。 電話を切って、明日の準備をしながら、ドキドキしてる。 明日、会えるんだ。 貴方はどんな顔で待っててくれるんだろう。 その夜、久しぶりのドキドキで、眠れなかった。 早く、朝にならないかな。 早く、貴方に逢いたい。
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