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未来から来てるっていったのに…
此処には私の居場所なんてどこにもない、此の時代の各務家になんて行っても私の事なんて分かるはずがないのに―――――――……………
拳を握りしめ、ギリッと唇を噛み締めた。
「貴殿方は…
私の話を信じてはいないんですね……
信じる価値など無いと、そうお思いになっていらっしゃるんですね」
私は、近藤を睨み付けながら言うと、近藤が慌てたように言葉を付け足す。
「いや、桜花さんの事信じない訳ではないんだ、ただ各務家のお嬢さんだと少々厄介でね…
各務家は此処等で有名な名家の一つだ、だから「私はっ!!此の時代の人間ではないっ!!
だから、此の時代の各務家は関係ないっ!!
信じられないのなら監察方の山崎 丞という人使って今すぐ調べてくればいいっ!!姉の歩でも、島田 魁でも誰でも使ってっ!!」
私が早口で言いまくし立てると、室内がざわめき立った。
きっと、監察方の名前を言い当てたことに対して驚きを隠せないんだろう。
そんなこと、今の私にとってどうでもいいこと…戻れないんだとしたら、此処に置いてもらえるようにしなければ、此の時代の知識なんて無いに等しい私は、此の場所をでたら、死んでしまうだろう。
ああ、人生終われば良いと思っていた私にとってこのタイムスリップは神様がくれた贈り物にも感じられてきた。
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