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「黒揚羽ですか、良い名前です
私からいきます。」
あっ、と思うまもなく目の前に沖田の木刀が迫るが、桜花は冷静に行動に移す。
「黒揚羽流―――
獅子天竜」
先程と同じく身を翻しそのまま腕をクロスさせ――
斜め上にそれぞれ凪ぎ払いつつ体重を下に移動させ、足を狙うが、沖田は二歩ほど後ろに下がり当たるのを防いだ。
「さすが沖田さんですね、避けたのは貴方が初めてです」
ああ…そうか
「てことは、さっきのは手抜いてたってことですね?
ムカつく…」
「桜花さん?」沖田が話しかけると――
「黒花繚乱(コッカリョウラン)――」
相手の目前までただ走り、跳躍をつけて跳んだ。
一瞬の出来事だった。
鈍い音がして地に伏したのは、紛れもなく沖田だった。
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