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奈美(なみ)&朝子(あさこ)
「遅くなりました~!」
少女が登場してすぐ。
賑やかな二人組が、真っ赤なFitから降りてきた。
「や、最後の曲がり角で何故だか逆行っちゃって…」
「奈美がナビ間違えたんでしょ!」
「今時カーナビ載せてない方が変なんだって!」
「あたしの車出してって言ったのそっちじゃん!」
見兼ねた管理人が、口を挟んだ。
「あ、もしかして君達が女性同士で来るって言ってたなみちゃんかな?」
「はい!そうです。あ、管理人さんですか?…これ、お約束のバレンタインチョコです♪」
そして集合していた人の人数を数え、
「よかった、全員分あります♪管理人さんに渡しますので、後で全員で分けて下さい♪」
と7つ分の包みを管理人に渡した。
「えっ!?冗談だったのに、悪かったね~!ありがとう!!」
管理人は破顔して言う。
「私は奈美、こちらが友人の朝子といいます。今日はよろしくお願い致します。」
二人はペこりと、同時に頭を下げた。
なかなか気遣いの出来る二人の到着によって、黒髪の少女がもたらした一種の緊張感は、多少和やかになった―…
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