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管理人&穂乃花
管理人は、誰かの悲鳴を聞いた気がした―――そして、その後の事態の急展開について行けずにいた。
駐車場では、管理人がいつも通りにパソコンを取り出し、画像を取り込んでいた。
先程撮った、ツアーメンバーが各自廃屋ホテルに入る後ろ姿を、パソコンに転送する。
穂乃花は余りに怖いモノが好きではなかったので、今日は中に入るつもりはなかった。
その時。
まず、奈美と朝子が泣きながら廃屋ホテルから出て来た。
管理人は驚いて、どうしたのか尋ねたが、泣きじゃくりながらとにかく早く帰る、と言って聞かない。
止める間もなく、彼女達は震えながらFitに乗り込み、ホテルを後にした。
次に、彰と絵理が真っ青な顔で戻って来た。
駐車場に着くと、絵理は腰を抜かした様にへたり込んで動かない。
彰はそんな絵理に何か話しかけ、抱え上げるようにして彼女をシルビアの助手席に入れ、管理人に「悪いが、先に帰らせて貰う」とだけ言って去っていった。
管理人が呆然としていると、次に雅幸と香苗が転がるようにしてホテルから出てきた。
2人とも転んだのか、ところどころ擦り傷をつくり、血を滲ませていた。
雅幸は一言、
「ここヤベェよ!!!」
と管理人に吐き捨てると、2人でポルシェに駆け込み、追い立てられるようにして去っていった。
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