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削られるプライベートに反比例して、借金はかさむばかりだった。
高校の時からチマチマ貯めていた貯金は4ヶ月ほどで吹っ飛んだし、
知人友人からの借金は50万。いや自分の持ち出しを考えるとそれ以上の金をパチンコ屋に「貯金」したことになる。
大きく浮いた時もあるにはあったが、既に狂っていた俺は「タネ銭はあって困る事は無い」と返済を後回しにしていた。
結果、返すあてのない借金が雪だるま式に増えていた。
今から考えれば、あの時は意識して「冷静になる事を避けていた」気がする。
借金や失った時間の事を真剣に考えると、まず間違いなく狂ってしまう-と意識的に思っていた。
それまでごくごく普通の人生を歩んでいた俺が、初めて手を出した火遊び。
いつしかその炎は、俺の理性すら焼いていた。
余りにも急速な転落に、まず体がついていかなくなった。
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