きゅーじつ

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いや、殲滅兵器と言っても、セクハラの一環で三年殺しとか七年殺しとか千年殺しとか、そういうことに使われているわけでもなければ、さらにセクハラの一環で至高のフィンガーテクを持っていると言うわけでもない。 本当にメタファーでもなんでもなく、彼女の手には夥しい量の血液が染み込んでおり、数えきれないほどの量の魂を断罪してきた。 それが彼女の仕事だったのだから、事実を否定したり忌んだりはしないけど、その伝説は彼女が現在の地位について百年経った今でも語り継がれている。 まあ、中学校ですごかったヤンキーの逸話が語り継がれるようなものだ。 いやあ、マジ恐ろしい。 そのうち世界征服でもするのではなかろうか。 「失礼ね。私がするのは次元征服です」 「うわー、もうレベルがちげー」 棒読みでした。 常日頃から聞いてることだし。 「……で、今回のパートナーはまだ見つからないの?」 にっこりゴッデススマイルでミカ様は言う。 やばっ。サボってると思われてるっ!? 「いや、それが、なかなか見つかんなくて」 「じゃ、私が適当にそこら辺に元気玉でも落としましょうか?」 「ミカ様のはセルフ元気玉だから、どっちかっつーと殲滅弾ですよ」 「あらいやですわ。まるで私がジェノサイダーみたいじゃない」 「まあ、名前が違うだけで元気玉でもじゅーぶん人間根滅できますけどねー」 突っ込む気にもなれなかったのでスルーすることにした。 ミカ様の怖さは冗談で言ったことでも本当にできてしまいそうなところにある。 「まあ、冗談なんだけど」 「安心しました。これで心置きなく仕事をぞっこーできます」 「サボり魔がよく言う」 「ぐ」 低いトーンで不気味に頭の中に響くミカ様の声。 「あなたがちゃんとパートナーを導かないから、いつも失敗するのですよ。他の子達はちゃんと健気にパートナーに尽くしているんですから」 「いやあ、私のはあれっすよ……。ツンデレ?」 「未だにデレ期に入ったことがないくせになにを言っているのですか。だからモテないんですよ」 「うっわ、いい歳して女子高生みたいな話題振ってきた!」 「何か?」 「じ、ジョークです。ジョーキングなう」 しまった。 ミカ様は私が小さい頃から面倒見てくれた姉御的存在だから、まだ無礼講が抜けてない。 口をよく滑らしちゃう。 はあー、とミカ様はため息をついた。
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