11人が本棚に入れています
本棚に追加
寝起きで、二ヶ月経ったことに対して感傷に浸ってた俺だが、今日は特にすることがない。
今日の授業はないのだ。日曜日だし、眸ちゃんも今日は俺に言えないような買い物に行くと言って相手してもらえないし、友人は旅行中らしいし、バイトもない。
要するにすることがないのだった。
溜まったアニメでも見ようかと、ネットに毒された脳髄が反射的に行動を促すが、どうもそんな気は起きない。
ならば秋葉原にでも繰り出すか、と二次元に侵食された脳が論理的に判断を下そうとするが、どうも了承する気になれない。
なんだろうか、もう少し、今の、昔を懐かしむ、郷愁というものに浸っていたかった。
ともすると、俺の中の天使と悪魔が「このいけず!」と声を揃えて罵ってきているような気もしないでもないが、無視。
昨日は眸ちゃんにぶっ通しでミクの日感謝祭のブルーレイ(ブルーレイ!)を見せられて、3D酔いが醒めないのです。
そのあとずっとモンハンしてたし(2ndG)。
なんでPS3があるのにやらせてくれないんだろうか……? 持ってないのでものすごく触ってみたい(それどころか、PSPを購入したのも彼女に出会ってからである)。
……ん?
ミクの日感謝祭のブルーレイってまだ発売してないような……。
眸ちゃん、相変わらずミステリアス。
それともお嬢様パワーなのだろうか。
すげぇ……釣り合わねぇ……。
とりあえず、時計を見てみる。
時刻は午前6時半。
これで寝坊だと思うのは、実家での生活が抜けきってないからだろう。
ワンルームマンションでの起床も、今ではそう悲しくもなくなっては来たものの、やはり、台所からの味噌汁の匂いを恋しく思ったりもするわけで、気まずさというか、物足りなさというか、そういった感情は拭えないままでいる。
うーん。
暇だ。
することがない。
それに、田舎での暇と都会の暇って意味合いが全然違うんだよな……。
主に生産性的な意味で。
「…………朝飯食うか」
色々諦めて、ひとまず冷蔵庫を開けた。
閉めた。
何もなかった。
「…………」
いや、違う。別に、料理ができない訳じゃないんだ。ただ、田舎者故金銭感覚がまともじゃないから、買い物はクラスメイトの沙那美ちゃんについてきてもらうことになっていて、最近は疎遠中の折……。
「あー……」
思い出したくないことを思い出してしまった。
とても、時系列的な話だけど。
最初のコメントを投稿しよう!