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そうなの。 そうなのよ。 ホント瞬間だったのよ。 あり得ない、なんて思ったのは。 だって、ワタシ、彼と重なりたい! そう強く強く願い、念じてたから。 思い描いてたから。 アパートの壁だって、通り抜けれるって思い描いたから通り抜けられた。 そのことに気づいたから。 物理的に考えなくても、論理的でも科学的でもなくていい。 動揺したのはほんの一瞬で、目の前の光景が当たり前だと悟ったワタシは、彼の頬を両手で包み込んだ。 そっと、やさしく。
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