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十一月の二日、午前六時前──。
目覚めたわたしは、わたしだった。
当たり前だ。
わたしはわたし一人しかいない。
四時過ぎに一度起きたわたしはどうやらまた眠ったらしく、気がついたときは朝陽を背に受けていた。
「──夢か……」
自分でも意識しないうちにそう口にしていた。
──夢?
「夢……か──」
ヘンな夢を見たものだ。
眠っていたにしては頭の中が妙に醒めていて、身体には疲労感が残っていた。
まるで、自分が自分じゃないような……不思議な感覚。
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