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「大丈夫だって、ねえ?」 また物音が立った。 ベッドから起きた女を彼が抱き寄せたように思う。 「ユウくん」 甘えた声がして、裸の彼の胸板に顔を埋める女の姿が脳裏を駆けた。 「大丈夫。ミクを見てるのは俺ひとりだよ」 「ユウくん……」 「大丈夫大丈夫、な?」 「うう……」 「悪い夢を見ただけだって、なあ?」 「……うん」 「喉痛いの? なんか飲む?」 「ううん、いい。いいから、もっとギュッてして──」 ベッドが軋みだしたのは、そのあとすぐだった。
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