ー時の始まりー

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「ご主人~!!助けて下さい~!」 ドMのゼンゾウが助けてなんて珍しいもんだ。 「ゼンゾウ、何があった?」 「いや~美智瑠がっすね、あの~強くなったから見てろって言ったんスよ~。それで、蹴り上げられた時に尻尾が半分切れて…落ちて来る時に回し蹴りされて…完全に尻尾が切れてしまいましたわ~。なんか…新しく開発したとか言って、靴の先に刃を取り付けたやつで蹴られたんで…多分それでっスわぁ~。」 美智瑠を見ると、足元に血が飛び散り、靴の先には刃がしっかりと取り付けられていた。 それ…武器を開発しただけで強くなったって言わねぇよ!!!! 「美智瑠!!お前いい加減にしなさい!!!!」 ちょっとやり過ぎだろう、ゼンゾウが可哀想だ。 「スッスッスッスッ、スッスッスッスッ。」 あ―あ。また始まった…。 下顎と下唇を限りなく前に突き出し、上唇を出来る限り引っ込め、上唇と下唇の僅かな隙間から息を吸う、この特徴的な泣き方。 「美智瑠は悪くあらっさんとだけんね―――――――!!!!!!!!!何でそがんことばし言わさすと――――ッッ!!!!!!!!!!!」 ああ…もう! 「マザー、美智瑠は俺に任せて、ゼンゾウの手当をしてあげなさい。」 「わかった。ありがとう、ゴッドさん。」 パタパタとゼンゾウに駆け寄り、ゼンゾウを抱えて医務室へと降りて行った。 屋上の扉をマザーが開けた時に、ゼンゾウが 「ああ~ご主人~いいっスわぁ~。」 と言ったが、あえて聞こえないふりをした。 さてと。美智瑠をどうしたものか…。 初代と2代目は、笑いながら美智瑠を見てるし…あの2人には被害がいかないように 「ジジイ2人、なんば美智瑠ばし笑いながら見よらさすとね――――――!!!!!こっち見んなクソハゲジジイ――――――!!!!!お前達も美智瑠が蹴ってやらそうか!!!どーせ美智瑠よりお前らは弱かとですたい。」 ッて!!!!!! 思った傍から被害出てるじゃん…面倒くせぇ!!!!
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