ー時の始まりー

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目をトロ~ンとさせて地面に横たわるゼンちゃん。 「ゴッドさんとお話しがあるの。美智瑠の所に行ってなさい。後で一緒に釣りに行ってあげるから!」 そう告げた。 「わかりましたわぁ~。」 のそのそと歩きだし、沢山ある扉の中でも一番大きな扉の前まで行き、おもむろに立ち上がった。 大きな尻尾が邪魔をしているが、きちんと二足立ちしている。 ガチャ。 バタン…。 ゆっくりと前足で扉を開き、出て行った。 よし!ちゃんと行ったみたいね…。 ゼンちゃんはね、可愛い悪魔なの。 とても綺麗な心を持っている可愛い可愛いペット。 だけど、全身に纏わりついた毒と強烈な鼻を突く異臭が悪魔の様でもある。 弱き者が触れると死に至る。 それ以外の者が触れると全身が臭くなり、やはり死に近い地獄を見ることになる。 私は別。匂いも身体に付くことはないし、死ぬこともない。 ゴッドさんも死なない。 ゴッドファミリーは死なないけど…匂いは付いちゃう。 だけど、どんなに臭くても皆、ゼンちゃんと遊びたがるんだよね。 まぁ…ゼンちゃんのドM具合が皆のツボなのよ。 「ギャヒン!!!!!!いいっスわぁ~!!!!!!」 ほらね。さっそく美智瑠と遊んでるみたい。 美智瑠…手加減してないな…。 「ゼンゾウ~!!!!!!!美智瑠の蹴りばしくらわすとよかぁ!!!!!!!!!美智瑠は強くならさしたとだけんね―っ!!!!!!!!!」 甲高い声を響かせ、思いきり叫びながらゼンゾウを蹴り上げる。 「ギャイン!!!!美智瑠~いいっスわぁ~。」 ………。 ゼンちゃん、ちょっと気持ち悪いかも。 、
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