うた

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潰れてひしゃげた プリーツスカート そのままごみ箱へ 投げ捨てた 赤くくすんだ空が 私の感情に揺さぶりをかけて ごみ箱からスカートを出して ハサミでズタズタに切り裂いた 満足して 笑って 食べた夕御飯 明朝4時に 吐き出した でも気付けば 空は黒く佇んでいた オレンジの外灯が 私の足元をほのかに照らした 黒い電線は 藍色に溶けた 電車の中が異様に明るく感じ 私は瞬きを繰り返し 荷物を抱え座っていた 私の瞬きが落ち着き始めた時 何か羽ばたいた気がした 明らかな目の錯覚 それは とても美しかった 私は星のない空を 満足気に見上げた また何か 羽ばたいた気がした .
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