うた

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ぴょーい と飛んでみた。 地に着いた瞬間 足がビリビリした 痛いの嫌だから 次は羽を広げて飛んでみた でもこの体を浮かせるには この羽は小さすぎた 次こそは飛びたいから 羽を大きく広げてみた でもこの羽広げるには この場所は狭すぎた 自分で飛ぶのは無理だから 飛んでるカラスに言ってみた 「ねぇねぇ僕を連れてって」 カラスは笑って飛んでった しかたないから両の手を 空いっぱいに広げてみた でも限りなく広い空 広げた手から零れてた あんなに大好きな空なのに こんなにも憎らしい 悔しくて悲しくて 俯いた 気付いたら 分からない 空は何色だったか それも悔しくて悲しくて 思いきり踏んだ水溜まりは 濁った空色だった .
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