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親と喧嘩をした。
大学受験を控えた一学期の終わり、なかなか進路が決まらず母と共に学校に呼び出され面談を受けた。
昔から勉強、勉強と煩く言っていた母は近頃下がり気味の成績に苛々しているのか、益々口煩く勉強しなさいと言うようになった。
当の本人の俺は、進学する気などなく、勝手に就職先を探していた。
それを知った母は激怒し、面談中に言い合いになった。
担任の桜井先生が止めるも母の怒りは収まらず、家に帰ってもその空気は変わらなかった。
「だから言いたくなかったんだ。」
仏壇に向かって呟いた。
そこには静かに笑う祖母の遺影。
いつかは言わなければならなかった。でも言えなかったのは反対されるのが恐かったから。反対されるのがわかっていたから。
所詮、逃げていただけかもしれない。
分かっていた筈なのに。
嫌な空気の流れる夕食の後、自室のベッドに横になりずっと考えていたが、そろそろ頭が限界のようだ。
急に眠気に襲われ、目を閉じるとすぐに闇へとおちていった。
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