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咆哮と共にソイツは真也の方につっこむ。その爪は暗い闇でも鋭いというのは分かる。それに気付くケイも真也の方に走り込む
「危ない」
ソイツは鋭い爪を振りかざし真也を切り刻もうとする。しかし、間一髪ケイが真也を助け叫ぶ
「取り敢えず逃げるぞ」
何故かケイの息遣いが荒い。暫らく走ってから真也はその原因に気付く
「お前その傷……」
真也を助けた際負った傷に気付かれたケイは真也の背中を押しながら言う
「先に逃げろ。直ぐに追いつく」
「だっだけど…」
「俺を信じろ」
真也はこの時、ケイの不気味な笑顔を見た。その笑顔が真也の不安を増幅させる
先に逃げる事を拒み続ける真也をケイはより一層強く押す
「俺なら平気だ。だから、先行け」
真也は、そんなケイを拒否し続ける事が出来ず全力で先に逃げる
「少しだけ待ってろ」という言葉を残して
真也を視認出来なくなるまで静かに見送る
「さ~て、格好付けたは良いけどこれからどうしようかな。取り敢えず、逃げるが勝ちだ」
ケイは真也とは別方向に逃る。勿論、ソイツを挑発しながら。しかし、大量な出血が起こす疲労感がケイを襲う
「ヤバッ」
(このままじゃ掴まるのがオチか………)
逃げ惑う先には1人の男が立っていた。長身で整った冷酷な顔を持った男だった
「アンタそんな所で何してんだよ。早く逃げろ」
直ぐに男はケイにつられる様に足を動かす。そして刹那、男の口が静かに動く。
「…何故逃げる」
「ハァ?アンタ何言ってんだよ。逃げんのは当たり前だろーが。つか、誰だよ」
男は少し黙った後に再び口を動かす
「ハズレなのか?」と
男の言葉の直ぐ後にソイツの咆哮が聞こえる。その声は次第に大きくなり近づいている事を知らせる
それに伴い男の言葉のペースも早くなる
「いちいち煩せーんだよ。つか、だからアンタ誰だよ」
その後、直ぐにソイツに対して口を開く
「テメーもガオーガオー煩せーんだよ。テメーはゴ〇ラか」
その後、頂垂れながら言う
「あースッキリした」
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