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ケイを軽がると担いだ男はその場を離れようとする。しかし、それは一人の少年によって阻まれる
「ケイを何処に連れてくつもりだ」
「退き給え。君と遊んでる時間は生憎無いものでね」
「勝手に何処にでも行きやがれ。ただケイは返せ」
「何故そこまで固執する。コイツは貴様にとって何だ」
真也は叫んだ。力の限り大きく
「ダチだからに決まってんだろーが」
「何故、自分を殺そうとした奴を仲間と呼ぶ」
「フザケンナー」
叫ぶと共に真也は男に殴りかかっていた。綺麗な右ストレートが飛ぶ。しかし、それは呆気なく男の手によって阻まれる
「退き給え。さもなくば殺す」
自然と真也の右ストレートを防いだ左手に力が入る。そのたび、真也の顔はしかめっ面になる
(なんなんだ、この力は)
「クソがー」
今度は、左ストレートが飛ぶ。力いっぱい打ち込んだ左ストレートは男の顔面に入る。少量の血が口から流れる
真也は、気付けば腹部に一瞬だけ痛みを覚えた。そして次の瞬間、体が宙に浮く
「なっ!」
その衝撃で体は校舎の壁に叩きつけられる。衝撃音が反響し校舎内に響き渡る。そのまま静かに地面に落下した
(なっ何があったんだ……体が動かない、苦しい)
顔だけ上げて見ると男がケイを連れていく光景が映った
(おい、待てよ。ケイを返せ………ヤベー目が擦れてきやがった。このまま死ぬのか?)
「待………て…よ………」
苦しいヒューヒューという呼吸音を奏でながら真也はその場で眠った。何時、起きるやも分からぬ眠り…………
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