予感×0 魔女の魔女

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二つ目の元凶。 「生ニレココの実、干したナランハ草」 そこはモダンな照明の弱いバーとか、星の瞬く夜とか、そんな綺麗な暗がりの表現をするにはあまりにも似合わない場所だった。 見えないのだ。 ドロリとした粘着質の闇に閉ざされ、少しの侵入をも許さない。 ――唯一の光を除いて。 「数年間ココニレド草しか食べてこなかったベジタリアンの野ネズミの肝臓、と尻尾の骨」 そこにあるのは宙に浮かぶ炎、そしてそれにあぶられる漆黒の鍋。 「あと忘れてたけどマンドラゴラのすりおろし。 あ、順番間違えた……まーいっか」 情熱的な赤に緑と紫のまだら、透き通るような青色と次々に色を変える鍋。 その中身をかき混ぜるのは、深紅のローブに深緑のドレス、そしてその両方の色が混ざり合ったとんがり帽子をかぶった少女だった。 「あ、ササノ葉は三日三晩煮るんだっけ? 二日以降様子見るのがめんどくさくていつの間にやら二週間経っちゃったような」 色んな物を次々と入れていく少女の言葉が段々と怪しくなっていく。 .
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