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いろんな意味で引き立てているのは事実だが。
その魔法的効果の付いた服飾品が、依頼主にとって吉と出るか凶と出るかはもはや博打の域だ。
他にも学校試験のためにちょくちょく仕事と関係ない事をしているのは目にしたが、今回のはひどい。
特にハナンにまとわりつく臭いがひどい。
「あはは、やっぱり臭う?」
「笑い事じゃないって。
強いて言うならおいしく作れたはずのおでんに間違って天井裏のどぶネズミが直で入ってしまい、投げやりになった所気づいたら二週間煮込み続けてたような臭いよ」
「あら、その例えナイスね。
今度学校で使ってみようかしら」
本気だか冗談だか分からないハナンに臭いの原因を尋ねると、案の定期末試験の課題だと答えた。
「一体何を作った訳」
「見たい? 見たい?」
瞳を輝かせながら嬉しそうに聞くハナンがあまりにも見せたいオーラを放出していて、軽くあしらう訳にもいかず。
「その前に頼んだ奴を持ってきて」
と言えば、ハナンは顔に満面の笑みを浮かべて慌ただしく奥へと引っ込んだ。
作品を見てもらえることがよっぽど嬉しいらしい。
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