オースター孤児院の人々

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どうにもくらくらする。 脳の中を掻き回されているかのようだった。 「……大丈夫?」 「……うん、大丈夫、だけど……ちょっとだけ目眩がするかな」 稀にあるのだ、こういうことが。 数ヶ月に一回くらいの割合だろうか。 片目をつぶり、ティアは額を押さえた。 「……なんだろ? 疲れてるのかな?」 「……寝不足じゃないの、ティアちゃあ」 「……そうね。誰かさんが毎晩安眠妨害してくれるせいでね」 「だって、仕方ないじゃない!」 刺々しく言うと、ミンミは弁解を始めた。 「ティアちゃあたら、しょぼい体つきのくせに、寝姿は妙にエロいんだもん」 「……しょぼくない」 「魅惑的で蠱惑的で、誘ってるとしか……」 「……ド変態」
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