入退院

2/2
前へ
/45ページ
次へ
今振り返ればホクトはずっと 入退院の繰り返しだった。 薬や手術でなんとかホクトは 余命を過ぎても生きている。 ただホクトはいつ死んでも おかしくない身体だったのだ。 【入院費に手術代】 相当な額だろう。 しかし、父親の健は、ホクトが治るなら、 いくらでも出すと言う。 ~小学校に入学する頃~ ホクトは無事、退院する事が出来た。 普通の子供達と同じ様に 普通の子供達と同じ学校に 通った。 しかし、ホクトは学校に行きたがらない… いくら学校に通えるようになっても みんなと一緒に外で遊べない。体育はいつも見学…。 いつ発作が起きるか解らないからと、先生が付きっきりで先生もホクトの事を迷惑がっていたのだ…。 行きたくない気持ち、健にはよくわかっていた。 そんな時 ホクトが8歳になった時 心臓発作で倒れてしまい、 また入院する事になった。 ある日ホクトは健にこう言った 『パパ。僕もう疲れちゃった』 『死にたいよ…』 健は涙を流した。 代われるなら代わってやりたいと…思った。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

124人が本棚に入れています
本棚に追加